東洋医学とその起源

東洋医学は、1997年にNIH(アメリカ国立衛生研究所)によって鍼治療の強い効果が公式に評価されて以来20年、WHO(世界保健機関)主導のもとで経穴の国際基準が定められたり、世界的に保険適用や病院・診療所内への導入が進んでいっております。

東洋医学の起源は約2600年前の中国に遡り、アジア各国(中国・日本・韓国・台湾・チベット・ヴェトナムなど)で風土・文化の影響も受けながら受け継がれ、発達してきました。

東洋医学の一つの大きな特徴は、各地の気候・風土・生活、それによって生まれる問題とその解決に適した治療方法が選択されて使われてきたことです。アジア各国で東洋医学のバイブルとして学ばれている古典 (黄帝内経-素問 第十二篇 異法方宜論) にもこう説明されております。

「東の海岸地域では海産物を多く食べ、塩が血を停滞させ腫れ物が起こりやすく、メスのような石(へんせき)を用いられました。西の山岳地帯では鳥獣の肉を好んで食し、内臓病が多く、その治療には漢方薬を用いました。北の平原地域では、寒気が強く、その寒を散らし陽気を助けるために、灸が活用されました。南の陽気が盛んな地域では、湿気が経絡に停滞することで痛みが多く生じた為、主に鍼を用いて循環促進して改善しました。中央の肥沃な地域では、労せずして様々な食物が手に入る地域で、身体の気のめぐりが悪くなり、邪が停滞しやすかった為、その改善には主に按摩・導引(気功)の治療が用いられました。」

このように、古代から東洋医学は、同じ経絡理論を基にしながら、問題・目的に応じて、様々な道具・手技法が開発され使用されてきました。

生活スタイル・環境の大きな変化によってもたらされる、恩恵と弊害

特に電気もなく交通機関も発達していない時代、多くの人々は自然に則した素朴な生活を送り続け、東洋医学は古代から伝わる形態のままで 十分にその効果を発揮でき、多くの人々の健康を支えてきました。しかし、ここ1〜2世紀ほど、特にここ最近の数十年間で、科学技術は急速に発達し、それに伴い、多くの人々の生活スタイルは大きく変わってしまいました。電気や車、電車・飛行機やパソコン、携帯電話、...素晴らしい発明の数々が、現代の生活を豊かにし、古代人からしたら夢のような生活が現実に可能となっております。しかし、その大きな変化は、当然ながら我々にメリットだけをもたらしたわけではなく、弊害ももたらしております。地球規模での環境汚染・異常気象、季節・地域を無視した食材、暴飲暴食、夜更かし、高速移動による時差ボケ、放射能や電磁波の影響、新しい感染症、など、古代には無かった現代ならではのストレッサーは山ほどあり、実際に「現代病」とも言える症状・病気も非常に増えてきております。最新の西洋医学をもってしても対応しきれない病気・症状をなんとか解決していこうと、古代から伝わる東洋医学の取り入れが世界的に進んでいってはおりますが、全く環境の異なる古代に開発・処方された医術をそのまま現代に適用しようとする試みには、様々な障壁・課題が立ちはだかっております。

現代のニーズに適う、東洋医学の治療方式 

日本でも東洋医学は1200年以上前から人々に活用されてきており、たくさんの勤勉・研究熱心な医療従事者たちによって、中国古来の形態とも異なる、日本独自の東洋医学が発展してきました。我々"Kohki Organizations"は、日本で30年に渡り、中国古来の東洋医学古典、そして

日本近現代の医師・治療家の先生方が遺した書物を紐解きながら、現代西洋医学の知識と融合させることで、現代のニーズに適う、東洋医学の新しい活用方法を模索してきました。"Kohki Method"は、時代の新しいニーズによって生まれた、現代版にアップグレードされた東洋医学の治療方式と言えますが、患者一人一人の身体、問題に合わせて、臨機応変に鍼・灸・導引・指圧などの技術を瞬時に選択し、対症療法・根本治療を行え、しかも、患者に無用なストレスや危険を与えないよう、刺鍼の外傷・火傷・感染症リスクを避けられるようにした治療方法です。

近年、一般西洋医学に様々な補完代替医療を組み合わせた「統合医学」という新しい医療が注目され始めておりますが、一言に統合医学と言っても、個々の医療団体・学術グループによって基盤とする考え方・理論、実際に治療で使用される技術が大きく異なるため、私たち"Kohki Organizations"では患者さん皆さんが他の統合医学と区別できるようにする為に便宜上、採用している理論・技術システムを"Kohki-Medizin"、治療法式を"Kohki-Method"という名称を付けて使用しております。

「鍼灸」と一言に言っても道具・手技法は非常に様々。

 

上段・写真は古代〜近現代の灸治療のバリエーション。直接、肌に触れる接触性と、触れない非接触性の灸があり、また色々な補助具もある。

下段・写真は中国古来から使われる9種類の鍼、右・写真下段は近現代の多様な鍼。侵入性(皮膚に刺し入れられるもの)と

非侵入性(皮膚に刺さず点的刺激を加えるもの)とがある。

​写真: 山下詢著

「鍼灸治療学~正経と奇経の運用~」

© 2020 by Japan Kohki Therapy Europe GmbH

Impressum